席題 〜俳句の句会の様々な形式A〜

 句会の当日、俳句に詠み込む季語や言葉が、はじめて参加者に告げられるような句会の方式を「席題」と呼びます。

 席題の句会では、会場の目立つ場所に席題を書いた紙などが貼られており、参加者は、会場に到着してそのお題を見てから、即興の俳句を作り投句します。
 なお、投句後の句会の進行は、一般的な句会と同様になります。

 前もってお題が告げられている「兼題」の場合は、参加者は何日もかけて納得のいく俳句を仕上げてくることができます。
 しかし、「席題」ではそうはいきません。

 席題の句会では、これまでに培ってきた知識・技量と想像力とをフルに働かせて、その場に無いものを短時間で詠まなくてはなりません。

 例えば、「新蕎麦」が席題とされた場合は、過去に新蕎麦を味わった体験などを思い出しながら、実際にはそこに無い蕎麦をまるでツルツルすすりながら詠んだような、リアリティのある俳句を生み出さねばなりません。

 ゆえに、席題は初心者にはかなり難しい句会の方式であるといえます。

 ですが、少し慣れてきた俳句作者にとっては、席題句会は思いがけない佳句が生まれたりする、とても楽しい時間となります。

 はじめはトンチンカンな句を作ったりしてしまうこともありますが、恥を恐れずに積極的に席題の句会に参加し、想像力を高めていきたいものです。



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 さて、俳句には、読者の心に響く美しい形というものがいくつか存在します。

 例えば、次の名句は、いずれも中七の後ろを「けり」で切り、座五に名詞を据える形をしています。

  ●凩(こがらし)の果(はて)はありけり海の音(言水)
  ●ひた急ぐ犬に会ひけり木の芽道(中村草田男)

 また、次の名句は、いずれも名詞で上五の後ろを切り、句末は活用語の終止形で結ぶ形をしています。 

  ●芋の露連山影を正しうす(飯田蛇笏)
  ●秋の暮大魚の骨を海が引く(西東三鬼)

 筆者(凡茶)も、名句の鑑賞を通じて、このような美しい俳句の形を使いこなせるようになることで、次のような自信作を詠むことができました。

  ●糸取りの祖母逝きにけり雪解雨(凡茶)
  ●露の玉工場ドスンと始まりぬ(凡茶)

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posted by 凡茶 at 18:58 | Comment(0) | 俳句会や吟行について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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