席題の句会では、会場の目立つ場所に席題を書いた紙などが貼られており、参加者は、会場に到着してそのお題を見てから、即興の俳句を作り投句します。
なお、投句後の句会の進行は、一般的な句会と同様になります。
前もってお題が告げられている「兼題」の場合は、参加者は何日もかけて納得のいく俳句を仕上げてくることができます。
しかし、「席題」ではそうはいきません。
席題の句会では、これまでに培ってきた知識・技量と想像力とをフルに働かせて、その場に無いものを短時間で詠まなくてはなりません。
例えば、「新蕎麦」が席題とされた場合は、過去に新蕎麦を味わった体験などを思い出しながら、実際にはそこに無い蕎麦をまるでツルツルすすりながら詠んだような、リアリティのある俳句を生み出さねばなりません。
ゆえに、席題は初心者にはかなり難しい句会の方式であるといえます。
ですが、少し慣れてきた俳句作者にとっては、席題句会は思いがけない佳句が生まれたりする、とても楽しい時間となります。
はじめはトンチンカンな句を作ったりしてしまうこともありますが、恥を恐れずに積極的に席題の句会に参加し、想像力を高めていきたいものです。
≪おすすめ・俳句の本≫
佳句が生まれる「俳句の形」 凡茶
==============================
■ 当サイトの筆者が執筆した本です!
■ 電子書籍(Kindle本)と製本版(紙の本)から選べます!
上の商品リンクのうち、左が電子書籍(Kindle本)のものです。廉価な商品となっており、購入・ダウンロード後、ただちにお読みいただけるというメリットがあります。Kindle本については、下で説明します。
上の商品リンクのうち、右が製本版(紙の本)のものです。「やっぱり本は、紙のページをめくりながら読みたいなあ…」という方のために用意させていただきました。
オンデマンド (ペーパーバック)という、注文ごとに印刷・製本されるタイプの本です。
いずれかをクリックすると、本著の詳しい内容紹介や目次を見られるAmazonのページが開くので、気軽に訪れてみて下さい。
さて、俳句には、読者の心に響く美しい形というものがいくつか存在します。
例えば、次の名句は、いずれも中七の後ろを「けり」で切り、座五に名詞を据える形をしています。
●凩(こがらし)の果(はて)はありけり海の音(言水)
●ひた急ぐ犬に会ひけり木の芽道(中村草田男)
また、次の名句は、いずれも名詞で上五の後ろを切り、句末は活用語の終止形で結ぶ形をしています。
●芋の露連山影を正しうす(飯田蛇笏)
●秋の暮大魚の骨を海が引く(西東三鬼)
筆者(凡茶)も、名句の鑑賞を通じて、このような美しい俳句の形を使いこなせるようになることで、次のような自信作を詠むことができました。
●糸取りの祖母逝きにけり雪解雨(凡茶)
●露の玉工場ドスンと始まりぬ(凡茶)
この本は、こうした佳句の生まれやすい美しい俳句の形を、読者の皆様に習得していただくことを目的としています。
なお、この本は、前著『書いて覚える俳句の形 縦書き版/横書き版』(既に販売終了)を、書き込み型テキストから「純粋な読み物」に改め、気軽に楽しめる形に書き変えて上梓したものです。
あちこち加筆・修正はしてあるものの、内容は重複する部分が多いので、すでに前著『書いて覚える俳句の形』をお持ちの方は、本著の新たな購入に際しては慎重に検討してください。
●Kindle本について
Kindle(キンドル)本とは、Amazonで購入できる電子書籍のことです。
パソコン・スマホ・タブレットなどに無料でダウンロードできるKindleアプリを使って読むことができます。
あるいは、紙のように読めて目に優しく、使い勝手も良い、Kindle専用の電子書籍リーダーで、快適に読むことも出来ます。
≪おすすめ商品≫
歳時記の収録されている電子辞書
==============================
CASIO エクスワード XD-D6500GD
しかし、今は歳時記入りの電子辞書が登場したおかげで、ずいぶん持ち物が軽くなりました。
例えば、左の電子辞書には、次の歳時記が納められています。
合本俳句歳時記 四訂版
現代俳句歳時記
(春・夏・秋・冬・無季)
ホトトギス俳句季題便覧
現代俳句歳時記
(春・夏・秋・冬・無季)
ホトトギス俳句季題便覧
また、次のような収録コンテンツも、きっと俳句の実作、吟行に役立つでしょう。
広辞苑 第六版
全訳古語辞典 第三版
漢語林
全訳古語辞典 第三版
漢語林
読めない漢字も手書きで検索できますし、俳人にとっては実にありがたいですね!
この電子辞書には、他にも、百科事典や、日本と世界の文学作品(各1000作品)等、さまざまなコンテンツが収められていて、とにかく飽きません。
世の中便利になったものです。
俳句の作り方 〜初心者入門と季語・切れ字の使い方〜
●● トップページへ ●●
姉妹サイト 「季語めぐり 〜俳句歳時記〜」へ
【俳句会や吟行についての最新記事】