まずは気楽に俳句を作ってみよう!

 「俳句とは何か?(初心者の方へ)」のページでも述べましたが、俳句とは、一言で言うと「季語を入れた五・七・五音の短い詩」です。
 実にシンプルです。

 こんなにシンプルなのですから、「私は初心者だから…」などと臆することはありません。
 まずは気楽に俳句を作ってみましょう。

 最初は、上手に作ろうとなどせず、季語(季節の言葉)を入れて、五・七・五の計17音(字)の詩を気軽に詠んで(作って)みましょう。

 例を示します。

 今、寒い冬がやって来たのに、子供たちが、外で元気に缶蹴り遊びをしている様子を見かけたとします。
 そして、その子供たちの中に、白人の子が混じっていて、ああ、このあたりも国際化が進んだものだと、多少の驚きを覚えたとします。

 そこで、ごくごく気楽に次のような俳句を詠んでみます。

  白人の子も缶を蹴る寒い冬 (試作@)

 この程度の俳句なら、初心者の方でも作れると思いませんか?
 まずはこの程度の俳句を、肩に力を入れずに、楽な気持ちで作ってみましょう。

 そして、後から推敲によって気楽に作った俳句を、納得いくものに育てていくのです。
 どんな平凡な俳句も磨けば光る原石です。

 では、さっそく推敲に入りましょう。

 この俳句で最も気になるのは「寒い冬」の部分です。
 冬は寒いのが当たり前なので、わざわざ「寒い冬」などと説明する必要はありません。
 余分な言葉が入ると、俳句が重たくなってしまいます。
 そこで、歳時記をめくって、もっと良い季語を探してみましょう。

 歳時記とは、季語を季節ごとにまとめて説明した字引です。
 俳句を始める人は、これだけは書店で買っておく必要があります。

 さて、歳時記をめくっていくと、冬が到来して間もない頃を示す「冬はじめ」という季語が見つかりました。
 この季語と「寒い冬」という言葉を取り替えてみます。

  白人の子も缶を蹴る冬はじめ (試作A)

 季語を変えるだけで、グーンと俳句が良くなった気がします。

 次に、「缶を蹴る」という部分を直していきます。
 「缶を蹴る」という行為は子供に限らず、機嫌が悪い時の大人もする行為です。
 やはり「缶蹴り」という表現を用いないと、子供の遊びであることをしっかり伝えられません。
 そこで、「缶を蹴る」を「缶蹴りす」に改めてみましょう。
 「缶蹴りす」の「す」は、現代の「する」にあたる古語です。

  白人の子も缶蹴りす冬はじめ (試作B)

 だいぶ良い俳句になってきました。
 次は「子」という言葉が余分なので削っていきます。
 「缶蹴り」という語を目にして、子供の遊んでいる姿を想像しない人はいません。
 ですから、「子」という言葉をわざわざ使う必要はないのです。
 俳句はわずか17字の短い詩です。
 余分な言葉は極力削いでいきます。

  白人の混じる缶蹴り冬はじめ (試作C)

 最後の磨きに入ります。
 「白人」という語ですが、なんだか学術用語のようでかたい感じがしませんか?
 無邪気な子供たちの遊ぶ光景を詠んだこの俳句には、どうも馴染まない気がします。

 そこで、「白人」のかわりに「青き眼(め)」という言葉を使ってみましょう。
 やわらかい感じがしますし、「青」という色が入ると、俳句から受ける寒い印象が、一層増すような気がするからです。

  青き眼の混じる缶蹴り冬はじめ (凡茶)


 ようやく一句が完成しました。

 初心者の方は、上に述べたように、まずは気楽に季語を入れた五・七・五音の俳句を作りましょう。
 そして、歳時記などをめくりながら、その句を推敲によってよりよい俳句へと磨きあげていきましょう。
 その繰り返しで、俳句作りの腕が上達していくと思います。



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   〔型・その4〕 季語/中七/動詞+けり

 の4つの型を、俳句を上達させる基本の型として、徹底的に読者に指導してくれます。

 これらをしっかり身につけると、どこに出しても恥ずかしくない俳句を詠めるようになるでしょう。

 王道の俳句を目指す人も、型にとらわれない斬新な俳句を目指す人も、一度は読んでおきたい名著です。




俳句の作り方 〜初心者入門と季語・切れ字の使い方〜
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posted by 凡茶 at 02:37 | Comment(4) | 入門 〜俳句の作り方〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初心者です。でも高齢です。昭和2年1/1生まれ
難聴者です、
Posted by 大上  清 at 2013年04月19日 16:47
大上さんへ。
俳句はご高齢の方でも楽しめる素晴らしい遊び。
俳句によって日々がますます充実してくると思われます。
Posted by 凡茶 at 2013年04月21日 08:25
初めて数ヶ月。恐る恐る句会に投句してケチョンケチョンの連続。めげる気持ちに渇を入れていただきました。「推敲すること(自分に出来るか、どうかは脇において・・)力任せ、出会いがしらで出来た句を自信満々で句会に投句していた自分の思い上がり(慢心)を痛切に自己反省。「推敲する、そのことに向き合うこと、トコトン推敲して、尚推敲すること」も俳句の道(俳句精進・追求の楽しさ)で有ること。蒙を啓かせていただきました。ありがとうございました。今日は素晴らしいブログとの出会いメモリーDayとなりました。2013年4月の穏やか日。
Posted by けんじ at 2013年04月25日 06:52
定年退職後、再雇用制度にあずかって非常勤で働き、第2の定年を迎えました。

さて、これから何を生きがいにしようかなとつぶやいたら連れ合いに、お父さん俳句をやってみたらといわれました。

それで、一念発起して始めました。
「散り始む ふわとろオムレツ 孫と食う」。十数句作った中の一つです。

俳句の「は」の字も勉強せずに作りました。この
webを読んで汗顔の至りです。とても勉強になりました。これから精進いたします。どうかよろしく。


Posted by 岩崎 浩明 at 2014年04月08日 20:37